2つのテーマパーク、東京ディズニーランド(以下TDL)、USJのブランド戦略
を比較してみたいと思います。一時期は倒産しかけていたUSJが、今大変な
勢いで伸びています。2015年10月は、単月ですがTDLの入園者数を越えた
そうです。2015年度全体では、1,390万人が来場、TDL(1,360万人)を初め
て抜きました。これはUSJブランド戦略の成功だと言えます。ですが、この
成功の裏には、USJ の大きな戦略の転換があったといわれてます。企業が
生き残っていくためには、持てるブランドを成長させていかねばなりません。
ブランドの成長とは、より多くの顧客の支持を得ること、売上やシェアーが
拡大していくことです。
TDLとUSJという国内の二大テーマパークを例にあげて、成長するために、
ブランド戦略をどのように変化させてきたのかを、共に学びたいと思います。

1.ブランド戦略とは
2.ブランド戦略を転換して成功したUSJ
3.TDLのブランド戦略
4.テーマパークという業態の限界
5.まとめ

1.ブランド戦略とは
 ①ブランド戦略は、他の戦略決定とは異なり、ブランドの価値を守っていく
  この点を押さえた上で、経営活動の方針を決めていくことです。
 ②ブランド価値の中身とは、”イメージ”、”性格”、”客を惹きつける魅力”等を
  いったものです。こうしたものは一朝一夕では作れない。重要な企業
  の資産です。
 ③ブランドは一定の地位を確立すれば、安定した売上や、シエアー、利益
  が見込めるとされています。だから企業は、こぞって自社のブランドの
  価値を高めるために、努力をしている訳です。
 ④しかし、ブランドは、仮に一定の地位を得たとしても、成長の努力を止めて
  しまえば、安泰というわけにはいかなくなります。
 ⑤ブランドが窮地に陥った時、又飛躍が必要な時は、ブランドを成長させる
  ために、戦略の転換が必要な場合もあるのです。

2.ブランド戦略を転換して成功したUSJ
 ①USJ(ユニバーサル・スタジオ・ジャパン)は、ハリウッドの映画の世界を
  体験できるテーマパークとして、2001年3月31日にオープンしました。
  ピークの時は、年間来場者数は、1,100万人を達成したものの、2009年
  には、700万人台まで落ち込み、倒産の危機さえささやかれました。
 ②しかしここ数年で、業績を急上昇させ、奇跡のV字回復を果たしたと
  いわれています。
 ③USJをV字回復に導いた、チーフマーケテイングオフィサーが、当時の
  ブランド戦略を見直したことが、最大の勝因だったと明かしています。
 ④どうしたらUSJの魅力をたかめられるか?ハリウッド映画だけにこだわらず、
  面白いコンテンツがあれば、顧客が来るのではないか、と発想を変えた
  又、良いものであれば、映画でなくても構わないと、顧客は非日常的な世界で、
  驚きと感動を味わってくれる品質の高いコンテンツなら、ハリウッド映画の枠
  を離れても良いはずだという結論を出したそうです。
 ⑤当然社内外から、顧客が離れるという反発の声があがったが、自分の考え
  を押し通した。ブランド戦略とは、”世界最高のエンタテイメント品質の
  コンテンツのセレクトショップにする”と言う戦略に切り替えました。
 ⑥この戦略の下、ハリウッド映画に無かった、”ハリーポッター”、”妖怪ウオッチ”
  ”ハローキティ”などが生まれ、来場者が急増していきました。まさしくブランド
  戦略の変更が、奇跡を生みだしたのです。

3.TDLのブランド戦略
 ①米国ディズニーの成長戦略の基本は、”集客に役立つディズニーという
  世界観で統一されたコンテンツの質量の拡大”、です。
 ②創業者である、ウオルト・ディズニー氏は、オリジナルキャラクター
  ”ミッキーマウス”を創りましたが、その後”ミッキーマウス”を越える作品はつくれ
  なかったため、”白雪姫”、”眠れる森の美女”、”美女と野獣”など、童話をモチーフ
  としたリメイクを手掛けるようにしました。
 ③このリメイクした童話をモチーフしたアトラクションが、TDLの多くを占め、グッズ
  も、”くまのプーさん”、”ミッキーマウス”などが、人気で売れています。
 ④そして次に、自社だけでなく、外部の協力を得て、コンテンツを増やすようになり
  ます。その代表が、アメリカの映像制作会社”ピクサー”です。作品としては、
  ”ファイテインング・ニモ”が有名です。さらに、ジョージルーカス氏との提携も、
  始まり、アトラクションに加わってきました。
 ⑤こうした流れを見てみると、コンテンツについては、急速にウィングを広げている
  事がわかります。USJのたどった道と似たような感じを覚えます。

4.テーマパークという業態の限界
 ①テーマパークのような、”観光、レジャー”産業は、儲けを維持するため、リピート率
  を高くしなければいけないという宿命があります。どうすれば何回も来てもらえるか
  という事に知恵を絞る訳です。
 ②シンプルですが、効果があるのは、今までにない何かと提携することです。イベント
  でも施設でも、何でもいいから、新たな価値を提供することです。
 ③具体的には、コツコツと毎年新たな建物、アトラクション、ショー、イベントを増やし
  つづけたのです。ここに、”いつまでも未完成である”、ウオルト・ディズニー氏の
  言葉が生き続けています。

5.まとめ
 USJは、ハリウッド映画だけのコンテンツという戦略を捨て、成功を掴んだ。ディズニー
 は、もっと早くから、同じことを巧妙に進めつつ、さらに違う次元での勝ち方を模索
 していると思います。今後の日本を代表する、二大テーマパークが、どう
 経営の舵取りを進めていくか、大いに興味が湧いてくると思います。